Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

レス・ポールの伝説



おもしろかった!


ギターの名前だと思っている人も多いレス・ポール


その実体は、
ブルースとは全然違うところから生まれた超絶技巧系のギタリストで、
ソリッド・ギターを世に送り出した人のひとりで、
多重録音の先駆者です。


50年代初頭、公私ともにパートナーだったメリー・フォードと「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」「世界は日の出を待っている」「ヴァイア・コン・ディオス」等をギター&ボーカルの多重録音で世に送り出し、大ヒットさせました。


そして、93歳の今でも、毎週ニューヨークのライブハウスでギターを弾きまくっている。そんな彼のドキュメンタリーです。


頭から最後まで、とどまることのない彼の好奇心と追求力に感心させられっぱなしでしたが、強く印象に残ったことのひとつは、ブライアン・メイよりも20年早く多重録音による一人ギターオーケストラをレコーディングしていた事実。その音源も初めて聴きましたが、今聴いてもびっくりするユニークなサウンドでした。ブライアン・メイが目指したお手本がちゃんとここにあった、という感じ。


録再ヘッドをならべて二つつけたらどうなるんだろう、とレス・ポールが思いついたとき、改造用のレコーダーをいきなり彼にプレゼントしてくれたのがビング・クロスビーだった、というエピソードも驚きでした。


ビングはレス・ポールのギターに惚れ込み、1945年に今やスタンダードとなった"It's Been A Long Long Time”を、彼のトリオと一緒に録音します。それは当時の音楽状況からすれば、ボブ・ディランがロックバンドを率いてステージに立つのと同じくらい大胆なこと。ビングがやはり当時の他のクルーナー達とは一段レベルの違うセンスの持ち主だったと痛感しました。


エディ・ヴァン・ヘイレンがレスに「あなたが多重録音を始めてくれたから、今の僕達の音楽がある」と語るシーン。レス・ポールのギターサウンドを聴きながら、その音色とフレージングに「輝いてる」と涙ぐむボニー・レイットレス・ポールとメリー・フォードのギター&ボーカルハーモニーの全てを研究しつくしていたらしく、歌から合いの手まで全部一緒に歌っちゃうリチャード・カーペンター


ものすごい幅のアーティストたちから尊敬されている様を見て、そして彼らの音楽の中に確かにレス・ポールのアプローチが息づいているのを感じて、「源流」という言葉が頭に浮かびました。間違いなくこの人はロックの源流の一人です。


自らも伝説的ギタリストであるB.B.Kingが、「今まで一緒に演奏するのが夢だった先人が3人いる。そのトップがレス・ポールだ」と語ったところには、本当に打たれました。二人の共演シーンもとても素晴らしかった。

The World is Waiting for The Sunrise / Les Paul & Mary Ford

1951年の大ヒット。
大好きな曲です。明るくてカッコイイ。
メリー・フォードのボーカルも何気にあなどれません。
二人とも淡々と演っているのに中盤からのドライブ感は尋常じゃない。
この映像はもちろん口パクですが、当時の多重録音はまさに「重ね録り」ですから、11テイクめでトチったら1テイクめから録り直し。
あの時代にしては、リップやフィンガリングのシンクロが随分上手なのは、
既に多重録音の時にジャストタイミングの歌や演奏を一発勝負で死ぬほど重ねていたからなのでしょう。


映画を観てわかったのは、ドラムとベース以外の音はどうやら全部ギターで出しているらしいということ。
鍵盤が入ってると信じていました。一昨日までは。


個人的三大ギタリストについて以前にちょっと触れましたが、
今3人を挙げるとしたら、ヤン・アッカーマン(フォーカス)とブライアン・メイ(クイーン)とレス・ポールです。




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