Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

 夢・サッチモ・聖者の行進


夢を見ました。


そこは古びた客車の中。
内装は木造でした。
4人掛けの席。
外は田園風景。のどかな景色がゆっくり流れていきます。
私は窓際の席でぼーっと外を眺めていました。


ふと前を見ると同じように外を見ていた小柄な黒人の男性と目が合いました。
彼は「いい景色だね」という表情で、無言でニッコリ。
「!(あれ?この人は……。)」
「……失礼ですが、ひょっとして貴方はMr. Louis Armstrong?」
「そうだよ。」とサッチモはまたニッコリ。


うわー、何てこった、とドキドキしながら私は話を続けました。
「あの……もしあなたに逢えたら、ありがとうって言いたかったんです。
 あなたは、僕に音楽がどれほど楽しいものかってことを教えてくれたから。」
「そうかい?そりゃ光栄だね。」とまたニッコリ。
「あなたのどの演奏もどの歌も大好きですけれど、
 特に好きなのは映画『五つの銅貨』で、あなたがダニー・ケイさんとデュエットした『聖者の行進』です。
 日本でもポピュラーな曲ですが、あなた方お二人のバージョンよりも素晴らしい演奏を僕は知りません。」
「あれはダニーが引き出してくれたのさ。私もとっても楽しかったよ」とまたニッコリして、
「音楽はああやっていろんなヤツと掛け合うことでより一層楽しくなるねえ。」
「同感です!僕もアマチュアだけど、友人たちとずっと一緒に音楽をやってます!」
「いいねえ。どんな音楽なんだい?」
「聴いてくれますか?」
「聴きたいねえ。」といたずらっぽくニッコリ。


さすがに一瞬躊躇したけれど、これは聴いてもらうしかないと思って、
あわてていつものリュックからiPodを出そうとしたのですが、見つからない……。
何でこんな時に限って見つからないんだろう。どこかに忘れたのかな……。


……ふと窓外を見たら、いつのまにか列車は停まっていて、
サッチモが草原でこちらに手を振っていました。
「Enjoy your music. And....don't forget my music」(ニッコリ)
「もちろん!」
ゆっくり動き出す列車。


その時、リュックの中に突っ込んでいた手がiPodを掴みました。
「!」
えー、もうちょっとで聴いてもらえたのに……。
この際、サッチモに向かって投げちゃおうかと思った時、目が覚めました。


畏れ多い夢でした……。
こうして書いていても作り話みたいですけれど、本当に見た夢です。
見てからもう数日経ったのですが、どうにも頭の中から離れないので
書いておくことにしました。


これがその「聖者の行進」です。
久しぶりに観ましたが、やっぱり楽しい。
音を楽しむ「音楽」という言葉そのものの演奏です。