7月20日(木)
E9 The British Museum
きちんと見るなら1日や2日では済まないところなので、今回は妹にリクエストされたロゼッタ・ストーンのグッズを買うためだけに行きました。少しだけ中も歩いたのですが、せっかく行ったのに本物のロゼッタ・ストーンを見てくるのを忘れてしまったのが痛恨でした。ちなみに大英博物館も入館は無料。寄付は歓迎なので£5の寄付をしてきました。
グッズは非常に豊富で目移りしましたが、握ると気持ちいい「Hand Relaxer」(写真)というネタ商品が気に入ったので、自分の分も一緒に買いました(笑)。
ショップのロゼッタ・ストーン島の隣は「葛飾北斎」の島でした。2017年の大々的な「北斎展」以降、大人気で展覧会が国際的に巡回したこともあって、未だにグッズがよく売れるのだそうです。
S10 Frozen Theatre Royal, Drury Lane
「アナと雪の女王」シアター・ロイヤル、ドゥルーリー・レーン
普通の席が残っていなかったので、下手の2階ボックス席を試してみました。舞台の下手奥が見えないのですが、その分価格は安いし、ボックスの占有空間があるのでこれはこれで快適でした。高いところから劇場全体を見渡せるので客席の雰囲気を感じるのにはとてもよい席でした。昼公演ということもあって、客席の半分は子供で埋まっていました。
ディズニー制作の舞台なので、基本的には子供のために作られているのですが、細部まで徹底して作り込んでいるので大人も十分に楽しめます。第1幕の終わり、エルサが覚醒して氷の城を築き上げるおなじみ「Let It Go」の場面は、舞台に氷柱が立て続けに出現し、エルサの衣裳が一気に真珠のように輝く白色に変わる魔法のような瞬間が迫力満点に演出されていて、子供たちの心を鷲掴みにしていました。上から観ていて子供が集団でゾワッと来る独特の波動を感じました。もし日本で子供向けの舞台を創れる時が来たら、こういう手応えを得られる演出を目指したいと思います。それには大人でもびっくりするような、小手先ではない追い込みが必要だと痛感しました。
話題のステージ。期待と不安が入り混じっていたのですが、これは想像を超えて凄いライブでした! 往年のABBAのファンは確実にリピーターになると思います。ABBAの大ファンとは言えない私も、次にロンドンを訪ねた時にまだ続いていたらきっと観に行くと思います。
2022年に発表した40年ぶりの新曲を含む22曲を、今現在の本人たちの演奏と過去の音源を組み合わせて、舞台上の生バンドの演奏とリアルタイムミックスして、極上音質で、ABBA最盛期のようなヴァーチャルライブ演奏を聴かせてくれました。視覚的には、本人たちの演奏&MCの姿をモーションキャプチャーし、これを若い頃のキレの良い動きの映像記録から振り付けを完全コピーした若いダンサーのモーションキャプチャーと組み合わせて、4人のアバターを動かし、ホログラムとスクリーンと照明効果と舞台装置を駆使して21世紀仕様の見事なスタジアムライブに仕立て上げていました。上の写真の左側のバンドとお客さんは生身の本物です。バンドオンリーのコーナーの間や、アニメ映像を流す曲の間にちゃんと時間をとって衣裳変えをする等、ライブ的リアル感を重視する一方で、ここぞというところでは、CGでないと成立しないトリッキーでスピーディな映像演出も躊躇無く攻めの姿勢で取り入れて、22曲を全く飽きさせずに進行することに成功していました。
宣伝時にWEBバナーのこのやや無表情なアバターを見て、人形みが強くてちょっと不気味だなと感じていたのですが、それはどうやらわざとでした。動くのはアバターですが、MCの中身はあれから40 年の歳を重ねた今の彼らとして喋ります。若返ったフリはせず、「歳を重ねるのは悪くないよ。この40年があったからこそ、いま再び集まってこんなチャレンジもできるんだ」と歳月の機微を肯定的に表明していくスタンス。若い4人のアバターは「ルパン三世の変装」みたいな超高精度の着ぐるみであり、「中の人」はあくまでも70代半ばのリアルな彼らという認識が演者と観客の間で共有されていて、そこにとても好感を持ちました。
22曲が終わり、場内総立ちで踊りまくったライブのカーテンコールの最後にもう一度袖から出てきたのは歳をとった今の4人でした。これも既撮のホログラムですが、今度はスーパーリアルな70代の彼らの姿でした。「魔法が解けた」みたいな感じでありながら、会場中がその登場に感銘を受けて大喝采していたのが印象的でした。
余談ですが、ABBAと同世代のバンド、KISSがそろそろ体力的にも限界で、ポール・スタンレーとジーン・シモンズがABBAと同様のモーションキャプチャーを既に済ませているという噂を耳にしました。「100年後のお客さんにも最高のKISSのライブを見せたい」と言っていたとか。ABBAの後は、ひょっとしたらKISSの全盛期並みスタジアムライブがこのアリーナで観られるのかもしれません。ABBAのようにオリジナルメンバー4人の人間関係も解決してもらって、ぜひエース・フレーリーとピーター・クリスも居る編成で、どの曲の演奏も抜群にカッコよかったあの70年代のKISSでやってほしいと思いました。アバターなら、もっとも艶のあった時代そのままのボーカル&コーラスはもちろん、光線出しまくり、空中飛びまくり、炎も血も吹き放題です。もしそういうスタジアムライブが実現したら、KISSアーミー(KISSの熱心なファン)の友人を誘って観に行こうと思います。
(※ E=Event & Exhibition、S=Stage Performance)