彼のライブに初めて行きました。
期待以上に、カッコ良くて楽しいあっという間のライブでした。
デジタルエフェクトを駆使した最新のサウンドから、アコースティック・ギター一本で弾き語るボブ・ディランの「くよくよするなよ(Don't Think Twice It's Alright)」まで。そこには時代のギャップなどは全く感じられず、古いものと新しいものが自然に混ざり合ったとても自由な音楽を聴いている感じがしました。
ふと気付いたのですが、彼らの世代にしてみれば、物心ついた時から、その双方が身の回りに共存していたのですよね。だからいいなと思えば、そのどちらに踏み込むことにも躊躇がない。そういう感覚なのではないかという気がします。アナログからデジタルへのテクノロジーの進歩を時代と共に見てきた私たちの方がかえって歴史に呪縛されているのかもしれないと反省させられました。新しいことをやらなくちゃと思って古い音楽を封印してみたり、昔の音楽に固執して新しいサウンドに距離をとってみたり、ついつい分けてしまいがちですが、「今ここにあるもの」という観点で切り取れば実は好きなら一緒くたで構わない。そして、何が好きかがそれぞれ違うことによってそのアーティストやバンドの個性が浮かび上がってくる。ジョン・メイヤーのライブからは、そんな好例を見たように思いました。現代のピアノマン、ジェイミー・カラムからも似たものを感じます。
バンドは、ジョン・メイヤーをフロントにサポート・ギタリストが二人。うち一人は何とポール・マッカートニーのバンドに居たロビー・マッキントッシュでした。相変わらず渋い良い味を出したギターでジョン・メイヤーとうまく棲み分けながら楽しそうに演奏していました。ジョン・メイヤーがロビーに参加を頼んだことも、ロビーが快くそれを受けたこともとても素敵だと思いました。世代を超えたギタリスト同士がリスペクトし合って一緒に演奏している。これも象徴的ですね。
ジョンは全曲でギターを交換してました。あとの二人も少なくとも五本以上は持ち替えていたように思います。ロビーはエレクトリック・ドブロみたいなのからフライングVまで。ギターを見ているだけでも楽しかったし、ギター・マエストロ達が、各楽器の特徴を知り尽くしてギター毎のポテンシャルを曲に合わせて最大限引き出していることにも感心させられました。
ギター3人の後ろは、舞台下手からドラム、ベース、キーボード、女声コーラス二人という編成でした。舞台のバックは黒幕で大画面モニターもなく、照明効果のみで勝負したシンプルなステージ。JCBホールは音も良いので、音楽に集中できてとても気持ちよく聴けました。
ホエア・ザ・ライト・イズ-ジョン・メイヤー・ライブ・イン・ロサンジェルス [DVD]
- 出版社/メーカー: SMJ(SME)(D)
- 発売日: 2008/08/27
- メディア: DVD
- クリック: 9回
- この商品を含むブログ (6件) を見る