お台場のヴィーナス・フォートのすぐそばにコンテナを使って建てられた
臨時の美術館「ノマディック美術館」で
グレゴリー・コルベールという写真家の「ashes and snow」という展覧会を見てきました。
コンテナを組んで作られた壁面。高さは17メートルもあります。
建物をささえる支柱はなんと紙でできています。
紙の支柱に暗めの照明が取り付けられ、支柱と支柱の間には大きな和紙に水墨画のように淡く印刷された
人と動物の交流の写真の数々。
写真は全てセピアの色調で統一されています。
象に本を読み聞かせる少年。
水中で鯨と踊る舞踏家。
砂漠で豹との群れと共に座って落日を見る三世代の女性。
石造りの街を飛ぶ鷹と羽を持った少女……。
想像を超えた構図の写真ばかりですが、合成は一切ないとのこと。
写真の廊下の突き当たりと中央のホールでは
フィルムによる動画も上映されています。
これもセピア。
全体に広くて暗い空間の中で、
立ち止まって鑑賞しているとカクテルが配られ、
静かなゆったりとした時間が過ぎていきます。
建築物と写真と映画の融合。
カクテルのサービス(無料なのは内覧会だけかも)みたいなことも含めて、
トータルな美術作品になっていました。
ニューヨーク、サンタモニカでの展示を経て、
お台場にやってきたそうです。
ただ、正直なところ、場の空気としてはお台場よりも横浜でやった方がよかったかな。
ニューヨークとサンタモニカもピアでやったみたいだし。
横浜でやろうと思ったけど十分なスペースが確保できなかったのかもしれません。