Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

アナログ・レコードの至福

josh9092007-04-21



家の視聴環境を変えたくて、ついにAVアンプを導入しました。
いろいろ聴いてみてパイオニアのミドル・クラスのものに決定。
それにシャープの大型液晶テレビONKYOの5.1用スピーカーシステム。
これまではハンズメッセで1万円ちょっとで買った
YAMAHAのサラウンドシステムしかなかったので劇的に良くなりました。
早速、音楽や映画のDVDを観たり、ケーブルTVでハイビジョンの番組を観たりして楽しんでいます。


全体としてデジタル環境に移行してるはずだったのですが、ちょっと意外な流れになりました。
アンプにPHONO端子がついていたので、しばらくほったらかしにしていたレコードプレイヤーをつないでみたのです。


レコードは1枚も捨てなかったのでまだ二百枚以上あると思います。
もう聴くということはずっとしていなくて、
玄関の階段に吊ってある3つの30センチ四方の額縁に入れて飾り、
時々入れ替えながら眺めるだけになっていました。


最近入れてあったのは
ビリー・ジョエルストレンジャー
マンハッタン・トランスファー「エクステンションズ」
フランス映画「ボルサリーノ」サントラ盤
の3枚。

とりあえず「ストレンジャー」を額から出して、
ターンテーブルに載せ、針を落としてみました。
ジャケットを手に取り、眺めながら聴くLPレコード。
いったい何年ぶりだろう。


ただ、最近はCDのレンジの広い音に耳が慣れてるから、
LPの音はこもって聞こえたりするんじゃないかと
ちょっと心配していたのですが、聴いてみてびっくり。
全然そんなことはありませんでした。


もうこれは言葉ではうまく表せないんですが、
「データ」でないものを聴いている感じ。
「刻まれた音」を聴いているという実感がしたのです。
レコードの溝をグルーヴと言いますが、
まさにグルーヴが聞こえてきたと思えてしまいました。


今のCDの音に比べたら、個々の楽器の音の分離はやはり悪いし、
せっかく増えたサブ・ウーファーのスピーカーからは全く音が出てきません。
サブ・ウーファーの効果が活かせるほどの低音成分がたぶん刻まれていないのでしょう。


しかし、ベースが弱いと感じるわけではなく、しっかり存在していて、
トータルなサウンドはむしろ一体感があってなめらか。
高音の物足りなさなんて全然感じませんでした。


ああ、これがアナログディスクの音だった。
と、納得してしまったのです。


いろいろ作業もしながらだったのでプレイヤーにはリピートをかけておきました。
当然片面だけでリピートします。
A面の終わりまで行ったら針が上がって、また最初に戻って降りる。その繰り返し。
「A面」という概念に久しぶりに触れたのもちょっと感動でした。


そして、そのほどよい長さ。20分ちょっとで繰り返されるわけですが、
そのくらいのスパンで繰り返すと、あっという間に曲を順番で覚えますね。
今のCDアルバムではなかなかできないことです。


ストレンジャー」のA面ラストは「Scenes from an Italian Restaurant」。
前半のクライマックスを飾る大作です。この曲が長いのでA面は4曲だけ。
A面トップから「Movin' Out」「The Stranger」「Just the Way You Are」と並びます。
まさに名曲そろい踏み。
そしてレコードをB面に裏返せば、これも渋い名曲「Vienna」から始まっていくのです。
こうやってひとつのアルバムを聴き込んでいった学生時代を思い出してしまいました。


さあ、ビートルズもひっぱり出さなくちゃ。
AVアンプを導入して、いきなりアナログ・レコードを聴きたくなってしまうとは
かなり意外でしたが、とても楽しいです。
そういえばBabaouoの最初の自主制作アルバムももちろんLPでした。