Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

(We're Gonna) Rock around the Clock / Bill Haley & His Comets


1955年7月。1曲のロックナンバーが全米・全英ともにナンバー1となりました。この時、ロック時代がその幕を明けたと言われています。
もちろん幕の後ろではもっと以前から様々な動きがあり、既に「ロック」と呼んで差し支えないたくさんの曲が生まれています。一般的にこの曲を重要視することになっているのは、英米の2カ所でこのムーヴメントが大衆に圧倒的に支持されるに至ったことが大ヒットで証明できたからでしょう。
そして、それでもまだ多くの人が一過性だろうとたかをくくっていた「ロック」は二度と姿を消すことなく、すさまじい増殖を続けて行くことになります。



Babaouo in Private > Hits of Rock Era > 1955


それにしても、曲のカッコ良さに比べて、このビル・ヘイリーのカッコ悪さは……。
ポップ・カルチャーとしてのロック史は、音楽的にはこの曲が牽引したと言って良いと思いますが、
ヴィジュアル的には、このカッコ悪さをみんなで何とかしていく歴史だったのかもしれません……。



この曲が入っているアルバムで、個人的に気に入っているのは「ロックへの道」(中村とうよう企画監修:廃盤らしい)というアンソロジーです。
オールディーズのコンピレーションでは圧倒的に第1曲めになっていることが多い"Rock Around the Clock"ですが、「ロックへの道」は、この曲で終わります。


つまり、この曲にたどりつくまでの道のり。
アメリカの民俗音楽・大衆音楽の歴史をさかのぼり、ロックを形成していく音楽の流れをたどっているのです。
ミュージックマガジン中村とうようさんらしい、ちょっとアカデミックなアプローチとも言えますがとても興味深いです。
そして何よりも、それぞれの曲が醸し出す匂いが心地よい。


英語題:"All Roads Lead to Rock"は「全ての道はローマに通ず」からのいただきですが、
内容にフィットしていて良いタイトルだったと思います。
以下、曲目だけご紹介しておきます。


1. ボニー・ケイト~ジェニーズ・チキン(マイケル・コールマン)
2. セイル・アウェイ,レイディーズ(アンクル・デイヴ・メイコン)
3. イッツ・タイト・ライク・ザットno.2(タンパ・レッド・ホウオム・ジャグ・バンド)
4. マイ・ダディ・ロックス・ミー(トリクシー・スミス)
5. デトロイト・ロックス(モンタナ・テイラー)
6. シェイク・ザット・ジェリー・ロール(ジェニー・コブ)
7. ロック・アンド・ロール(ハリー・リーサー楽団)
8. フェイヴァリット・ポルカ(フーピー・ジョン・ウィルファート)
9. スウィング・アウト・リズム(ロニー・ジョンソン)
10. ファシネイティング・リズム(ソル・ホーピー)
11. ロッキン・ローリン・ママ(バディ・ジョーンズ)
12. エイト・ビートで弾いとくれ(アンドリュース・シスターズ)
13. ロック・ダニエル(シスター・ロゼッタ・サープとラッキー・ミリンダー楽団)
14. ハンプのブギウギ(ライオネル・ハンプトン)
15. ギター・ブギ(レス・ポール)
16. ブルー・ライト・ブギ(ルイ・ジョーダン)
17. マイ・カインド・オブ・ロッキン(ルネ・ホール・トリオ)
18. ロック・アンド・ロース(ドールズ・ディキンズ)
19. ウィアー・ゴナ・ロック(セシル・ギャント)
20. ゼア・エイント・ルーム・ヒア・トゥ・ブギ(ジョーイ・トーマス)
21. ロッキング・ダディ(ハウリン・ウルフ)
22. ハウリン・トムキャット(ハーモニカ・フランク)
23. ロック・アイランド・ライン(ザ・ウィーヴァーズ)
24. ハウンド・ドッグ(ビッグ・ママ・ソーントン)
25. リトル・リチャード・ブギ(リトル・リチャード)
26. シェイク・イット(ジョニー・オーティス楽団)
27. ロック・アラウンド・ザ・クロック(ウォリー・マーサー)
28. 同(ビル・ヘイリーと彼のコメッツ)