Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

徳武弘文「ぼくらは今もエレキにしびれている」


音楽仲間のYさんに薦められて読んでみました。
非常に面白かったです。


ぼくらは今もエレキにしびれている

ぼくらは今もエレキにしびれている


名前だけはあちこちで耳にしてきた人ですが、はっきりした認識はありませんでした。
でも、この本を読んで知っているたくさんの曲のギターを弾いていた人なのだということがわかりました。
山本コウタロー南こうせつ、細野春臣、渡辺香津美、あまたのミュージシャンと共演し、愛されてきたミュージシャンズ・ミュージシャンです。


サムピックを駆使した独自のテクニカルな奏法で、テレキャスターサウンドにこだわった腕利きの職人ギタープレイヤー。
彼を一行で描写するとそういうことになるのかもしれませんが、彼自身がその半生を語るこの本からからは、ベンチャーズがきっかけでギターにのめりこんだ少年が、とにかくギターが大好きでひたすらそれを弾き続けることで自分の生きる道を切りひらいていった、音楽への愛に満ちあふれた人生が伝わってきます。


80年代、テクノポップの波に呑み込まれて仕事が減り、経済的にも困窮し、音楽を続ける自信を失いかけた時、妻に勧められて憧れのナッシュヴィルを訪ねた徳武さんは、そこで活き活きと演奏するスタジオ・ミュージシャン達の姿を見て息を吹き返します。(その状況で勧めた奥さんも素敵です)


「楽しむことだ」


プロ中のプロである彼らが悩む徳武さんにかけてくれた言葉。
その言葉を胸に、帰国後あらゆる音楽に迷わず自分のスタイルで関わり、好きな音楽をより一層追究してきた徳武さん。
好きなことを楽しんで、あきらめずに少しずつ前に進んでいれば、どこかに道がみつかって前に進める。
シンプルなメッセージですが、心に響きました。そう思っていてもそれを実践し、貫ける人はそうはいない。
まもなく還暦を迎える今もひたすら「楽しんで」音楽と向き合っている徳武さんの姿がちょっとレス・ポールともダブって、自分自身のこれから先の音楽や仕事とのつき合い方を見つめ直す良い機会になりました。


Yさん、素敵な本を紹介してくれてありがとうございます。Satoruにも回します。