ちょうど先日の来日のタイミングで出版されたので企画本かと思ったら、何年もかけて編まれた大変な労作でした。
何年もかかっていたら、たまたまそのタイミングに仕上がりが重なったらしい。
頑張る人に神様が微笑んだ、ということでしょうか。
- 作者: 佐藤実
- 出版社/メーカー: アルテスパブリッシング
- 発売日: 2009/07/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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このシンプルな表紙のイメージに違わぬ硬派な内容でした。
S&G全曲(ソロを含む)の歴史的背景、音楽的背景、文学的背景はもちろん、コード進行の音楽理論的分析やギターの奏法に関する考察まで。
マニアックすぎるという批判が間違いなく出ると思うほどに詳しく厳密に掘り下げています。読み応えは十分でした。
個人的に嬉しかったのは、"アコースティック・ギター・マエストロ" ポール・サイモンに比して音楽的には軽視されがちなアート・ガーファンクルのミュージシャンとしての資質、楽曲への貢献についてしっかりと評価をしてくれていることです。しかも、ファンが陥りがちな盲目的な評価でなく、彼のツメの甘いところはするどく指摘した上で、評価すべきところをきちんと評価する、というスタンス。
この本は世界中の読者のために外国語訳されるべきだと思いました。