Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

「Talk like Singing」三谷幸喜のオフ・ブロードウェイ・ミュージカル@NYU



精神医学者ダイソン博士(川平慈英)が国際心理学学会で発表したのは、歌と踊りでしか自分を表現できない不思議な青年の記録だった……。


ターロウ(香取慎吾)は生まれつきメロディに乗せてしか話すことができない。学校での自己紹介でも、クラブ活動のバスケットも、職場でも、そして、恋人と話す時でも……。


発する言葉は全て歌になり、動けば全て踊りになるターロウは普通に仕事をすることができず、社会からはじかれてしまうが、そのユニークな存在が次第に巷の話題となり、メディアの注目を集め始める。テレビに雑誌と活躍するようになったターロウは、ようやく自分を活かす道を見つけたかにみえたが、不幸な出来事も明るい歌にしてしまうことがきっかけで、一転して世間の反感を買ってしまう。ダイソン博士は彼を普通の人にする治療のため、彼の脳内に進入を試みるのだった……。


ストーリーはだいたいこんな感じです。
小西康陽さんが音楽を担当し、クールでハイセンスなサウンドを聴かせてくれます。


観たのは2009年11月15日。
場所はニューヨーク大学(NYU)のスカーボール・センター。普段は授業にも使っているオフ・ブロードウェイの劇場です。
意外だったのは、台詞も歌も半分近く日本語だったこと。
それでも、英語ネイティブのお客さんがドカドカ受けていたのが印象的でした。
川平慈英さんのアッパーな雰囲気と、香取慎吾くんの超然とした芝居のバランスが良かったのではないかと思います。
慎吾くんに特別な思いを寄せる女医役の堀内敬子さんは、三谷さんのお気に入り女優さんですが、これまで観た中でいちばん綺麗でした。


少し気になったのは、後半の流れが三谷さんの芝居にしてはよくまとまってしまっていること。
まとまりそうなのを気持ちよく裏切ってくれるのが三谷さんの真骨頂だと思っているファンとしては、あまりにも丁寧な運びがちょっと物足りなく感じました。
ただ、英日バイリンガルの芝居ということを考えると、やはりいつものようにはいかないのかもしれません。
日本凱旋公演で、その部分がどんな印象になるのか……それも楽しみです。