Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

「ジャージー・ボーイズ」@オーガスト・ウィルソン・シアター



様々な事情で突然3泊することになったニューヨーク。
2009年11月17日。最終日の夜は、オーガスト・ウィルソン・シアターの「ジャージー・ボーイズ」を観ました。


2006年度のトニー賞受賞作品。
基本はフランキー・ヴァリフォー・シーズンズの伝記です。彼らは何曲も全米ナンバー1を出している知る人ぞ知るスーパースター。
ニューヨーク周辺では当時もっとも垢抜けてない土地だと思われていたニュー・ジャージーから、彼らはポップ音楽の頂点に登り詰めていきます。
シェリー」「悲しきラグ・ドール」「君の瞳に恋してる」……既存の名曲オンパレードという意味では「マンマ・ミーア」等の系譜に入るのですが、ちょっと違うのは、1アーティストの楽曲を利用して別の話を組み立てるのではなく、彼らの成功物語をそのままミュージカルに仕立て上げたということ。これはなかなかハードルが高い作業だったと思いますが、シンプルなセットで見事に劇的にストーリーを歌いあげていました。受賞も頷けます。


フランキー・ヴァリを演じた役者が、本当に声がそっくりで、背も低くて見た目も似ていました。フランキーの独特なファルセットボイスがグループの成功を呼んだというストーリーなので、それができないとまったく意味がないわけです。
よくこんな役者をみつけたなあ、と感心していたら、プログラムを見る限り、どうやらこの役者は3人目……。
トニー賞を取ったメンバーとはフォー・シーズンズ全員が交替しているようでした。


フランキー・ヴァリの歌を彼と同じように歌えて、見た目も似ている主役の芝居ができる役者。
そんなのを3人みつける!?
どれだけ層が厚いのでしょう。本当に驚きです。


ご存知の方も多いと思いますが、ブロードウェイではチケットの当日券はどんどん安くなっていきます。
ぎりぎりに空席があれば1万円の席でも2000円くらいで買えてしまう。
貧乏な駆け出しの役者は、そういうチケットを買っていつか自分が立ちたい舞台をたっぷり研究します。
話が少しそれますが、NYは美術館も17時以降は閉館まで無料になるところがたくさんあって、スケッチブックを持つ学生が勉強のために集まってきます。
クリエイティブな道を目指す人たちの層が厚くなっていくような仕組みをきちんと設定しているのですね。
無条件にアメリカを礼賛するつもりはありませんが、こういうのは本当に良いところだと思います。
NYに住みたくなっちゃいました……(^^;


最後に去年のトニー賞のステージから。
フランキー・ヴァリが5人出てました……。
5人目が一番似てるかな。でも、私が観た人じゃありません。
一体何人いるのやら……(^^;