Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

007/カジノ・ロワイアル

josh9092007-01-12



今回の007はボンド誕生を描いています。
バットマンになぞらえれば「007・ビギンズ」です。
なのに、時代設定は2006年の現代。


そもそも矛盾しているのだけれど、それ自体は必ずしも間違っていないと思いました。
1960年頃のレトロなタッチにするということの意味が、
今作る映画としての訴求力に必ずしも結びつかないということは大きいと思います。
この映画を見に来る主流の観客層は、たぶん第一作「ドクター・ノオ」からのファンではない、
というところがポイントで、ボンドと言えばピアース・ブロスナンから、
という観客がメインだと考えれば、その判断は妥当でしょう。


逆に、ボンドと言えばショーン・コネリーだと思う古くからのファンには、
ダニエル・クレイグのボンドはどんなタッチにしても納得できないものになりそうです。
しかも1960年ぽくするだけで、大変なお金がかかる。
風景も風俗も全然違うわけですから。


というわけで、一応納得ずくで観たのですが、
結果は今ひとつでした。
終盤にどんでん返しがあるのですが、
そういう展開になる説得力が非常に希薄で、プロットが破綻しているのです。
ラストで「007」が誕生する、という爽快感はあるだけにとても残念でした。
志は買っていたのになあ。


丁寧な物作りの大切さを痛感する作品でした。