Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

ダイ・ハード4.0

josh9092007-07-07



面白かったです。
ドラマ部分をふくらまそうとか、
マクレーン刑事も歳を取ったんだからキャラクターを成長させようとか、
そういう続編が陥りがちな欲目が一切無いことが作品の成功につながっていたと思います。


マクレーン(ブルース・ウィリス)は相変わらず不器用で、あきらめが悪くて、ボヤキ魔。
年月を経て妻と別れ、娘が成長しているのだけが大きな変化です。
お父さんを嫌っている娘が、誘拐されて窮地に陥った時に父親と同じ魂を見せるのが本当に痛快でした。


悪いヤツはちゃんと悪くて、
もちろん悪くなった理由はあるんだけど身勝手でワガママ。
それを十分に思い知らせてやっつける、というのが、
20年前に観た第一作と少しも変わらずテンポよく描かれていきます。


大胆な展開の割には状況の設定や人間関係の流れはきちんとしていて、
矛盾を感じないのも魅力のひとつです。
激しいジェネレーション・ギャップ、カルチャー・ギャップを持つ者同士が心を寄せ合っていくプロセスや、
用済みの関係者を次々に抹殺していく敵が、誘拐した二人を殺さない理由など、
ちょっと無理があると白けてしまうところをきちんと押さえていました。
大胆な物語展開の作品を作ると、そういうところも荒っぽくなりがちですが、
実はそういうところのこだわりが作品の質を決めるように思います。
007/カジノ・ロワイヤル」では感じてしまった「何故?」という疑問を全く持たずに観られました。


ネタはサイバーテロで、デジタル時代の話なんですが、
そこにひたすらアナログに介入していくのもマクレーンらしくてよかった。


パトカーを弾代わりに使ってヘリを撃ち落としたり、
トレーラーとハリアーでまともに一騎打ちしたり、
リアルにはあり得ないけれど、
マクレーンならやるかも、やってくれマクレーン!
という気持ちにさせられてしまったところで
映画の勝ち、という気がしました。


4作目まで来て、基本的な精神が全く変わっていないのに楽しめる、というのは
ある意味すごいことかもしれません。
大笑いしながら一気に観て、元気をもらって帰って来ました。