ようやく観ました。
公開時に前売り券を買っていたのに紛失してしまい、とっくに終了してから仕事で使った版画と一緒に段ボールに挟んでしまっていたのを見つけました。それ以来なんとなく機会を逃していましたが、ようやく観ることができました。
とても良かったです。
成功と自分に正直に生きることとの狭間で悩むのは、成功者の常のように思いますが、そのことをこれほど素直に描いている作品はとても珍しい。本人が批判コメントをバランスよく許すということが普通は起きないからだと思います。彼自身のナイーブさがこのドキュメンタリーを完成させたのかもしれません。彼にまつわる全てのスキャンダルを彼自身が認め、そこに踏み込んでいった自分を分析していく。彼の場合、それが本当にそのままその時の音楽に反映されて残っているので、ある意味語りやすかったのかもしれません。
意外だったのが、アンドリュー・リッジリーこそ真のWham!のリーダーだったとわかること。ナイーブ過ぎる天才ジョージ・マイケルをリードし、アグレッシヴに前進し、人前で主張する。それができるアンドリューが居たから今のジョージ・マイケルがある。思わずやる気はあっても才能に乏しい自分と重ねて観てしまいました(笑)。
ジョージ・マイケルの熱烈なファンというわけではなかったので持っているアルバムは少ないですが、どうやら入魂の復活作らしい「Patience」は買ってみることにしました。最近の彼の作品では、ポール・マッカートニーとデュエットした(というよりリード・ボーカルを歌ってもらった)セルフ・カバー「Heal the Pain」が出色の出来だと思います。最近の愛聴曲のひとつです。