Babauoù in Private Notes

アマチュア音楽ユニット、Babauoùに所属するKunio (Josh) Yoshikawaの雑記帳です。 我々のFacebook "Babauoù Book”にもどうぞお越しください。

パティ・ボイド自伝


最近、この本ともう一冊ビートルズ関連の本を一緒に買いました。
こっちから読み始めたら、ビートルズつながりの友人から「その順番はありえない!」と叱られましたが、ついつい読んでしまいました(笑)。


パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ

パティ・ボイド自伝 ワンダフル・トゥディ


でも、こちらの本もとても有意義でした。単なる暴露本ではありませんでした。
運や才能という天からのギフトにめぐまれ、自意識が強くて、その一方で自信はなく、内面はとてももろい。そんなとても人間的で魅力的な3人が、あがきながら生きてきた姿が率直に書き付けられていました。


パティがジョージからエリックへと走った経緯は十分泥沼で、自分がかつてこうあってほしいと願っていたような美談ではなかったけれど、それを隠さず自己弁護に走らず語るパティからは、売名というよりも「ようやく語れる時が来た」という安堵感のようなものを感じました。


ジョージとエリックのわがままぶりも、ファンの中には知りたくないと思う人も多そうな気がするけれど、ドラッグや酒や夢で混沌としていたあの時代の空気をそのまま反映した納得できる姿でした。そして、そんな時代を彼ら3人が最終的な破滅に堕ちずにしぶとく生き抜いたという事実にあらためて感銘を受けました。3人はやはり一種のソウルメイトだったのでしょう。このストーリーを読んでも、二人のミュージシャンがパティに捧げた3曲はまったく色褪せません。むしろ3人の心根にふれてより魅力的になったとさえ感じました。


ジョージが自らの才能をついに信じられるようになり、その才能の頂点を最愛の妻に捧げたこの曲。



エリックが親友の妻をどうしようもなく愛してしまい、やりきれぬ激しい思いとおだやかで深い愛情をそのまま音にしたこの曲。



あきらめきれなかった女性をついに自分の妻にすることができた喜びを、二人で過ごす時間をそのまま描くことで表したこの曲。
"Do I look alright?"(これで大丈夫かしら?)は、本当にお出かけ前のパティの口癖だったそうです。



それにしても、ポップ音楽史上に燦然と輝く名曲を自分のために3曲も書かせてしまった女性、パティ・ボイド。
うらやましいというよりも、感謝のひとことです。


貴女が居てくれたから我々はこの3曲を聴くことができたのです。


ありがとう、パティ。